2020/7/22

【世界遺産5周年記念】第5回「郷土の誇りを“未来”へコンクール」に応募しよう!③~世界遺産編~

 前回、①②では、「明治日本の産業革命遺産」と「三重津海軍所跡」について紹介しました。今回は、そもそも世界遺産とは何か見ていきたいと思います。

1.そもそも世界遺産とは???

 「世界遺産条約」に基づいて「世界遺産一覧表」に記載された、国境を越えて人類が共有し、受け継がれていくべき「顕著(けんちょ)普遍的価値(ふへんてきかち)」を有する遺跡のことです。
 ちょっと難しい言い方ですが、世界遺産とは、“いつの時代の誰が見ても「すばらしい!」と思えるもの”でなくてはなりません。
 今からおよそ40年前(1978年)に初めて12件が世界遺産として登録されました。
(ちなみに、最初に登録された世界遺産の中には、「ガラパゴス諸島」や「イエローストーン国立公園」が含まれています。)

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2.「世界遺産条約」とはどういう条約???

 「世界遺産条約」は、1972年にUNESCO(ユネスコ)総会において採択された国際条約で、正式名称を「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」と言います。
 この「世界遺産条約」の目的は、人類全体のための世界遺産を、損傷・破壊の脅威から保護し、保存するため、国際的な協力・援助体制を確立することです。
 現在、193か国がこの条約に締結しています。日本の条約締結は1992年(条約が採択されて20年後)で、先進国の中では一番遅かったと言われています。

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3.世界遺産誕生のきっかけは???

 今からおよそ半世紀以上前の1960年代、エジプトのナイル川流域のアスワンハイムダム建設がきっかけとなっています。このダムの建設により、エジプト南部からスーダン北部にあるヌビア遺跡が水没することになり、両国からの要請でUNESCOがキャンペーンを行い、保護につながりました。このキャンペーンでは、1つの国の遺跡を守るため、約50か国の国や個人、団体が賛同して遺跡の救済事業に協力したと言われています。このことが、のちの“人類全体のための世界遺産”を守るための体制確立につながったんですね。

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4.世界遺産には3つ種類がある???

 ところで、世界遺産の種類が3つあるのをご存じでしょうか。
 世界遺産には、以下の3つの種類があります。

 ①文化遺産・・・記念物や建造物群、遺跡、文化的景観など
 (例えば、インドのタージ・マハルや兵庫県の姫路城など)

①文化遺産イメージ

 ②自然遺産・・・地形や地質、生態系、絶滅のおそれのある動植物の生育・生育地など
 (例えば、アメリカ合衆国のイエローストーン国立公園、鹿児島県の屋久島など)

②自然遺産イメージ

 ③複合遺産・・・文化遺産と自然遺産の両方を兼ね備えるもの
 (例えば、ペルー共和国のマチュピチュの歴史保護区など)

③複合遺産イメージ

 ちなみに、三重津海軍所跡を含む「明治日本の産業革命遺産」は、文化遺産です。
 それでは、平成25年に世界遺産に登録された「富士山」はどれに該当すると思いますか?
 正解は、「①文化遺産」です。自然遺産と思われた方も多いかと思いますが、世界遺産に登録されている正式名称は「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」となっています。
 また、日本にある世界遺産の数は2020年7月1日現在で23件。文化遺産19件、自然遺産4件、複合遺産は0件です。

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5.世界遺産の登録基準は???

  世界遺産に登録されるには3つの基準を満たさないといけません。
①資産が世界遺産の評価基準に合致していること。
 文化遺産には6つ、自然遺産には4つの評価基準があり、いずれか1つ以上基準を満たす必要があります。ちなみに、「明治日本の産業革命遺産」は2つの基準を満たしています。
②資産が「真実性」及び「完全性」の条件を満たすこと。
 「真実性」とは、デザインや材質、機能などが本来の価値を維持しているか、ということ。例えば三重津海軍所跡の場合、地下遺構としてドライドックや船の修理に必要な部品を修理・製造した金属加工施設などの跡が、形状やデザイン、材料の観点で良好な状態で遺されている点で真実性が認められています。
 「完全性」とは、その遺産がもつ価値を特徴づける要素が完全に含まれているかどうか、ということ。例えば、三重津海軍所跡の場合、発掘調査の結果、将来の研究や展示のために必要な以降の大変が、良好な状態で保存されている点で完全性が認められています。なんだか難しい言い方ですが、要は、本当に存在したかどうか、それを物語るための完全性(資産の残り具合)が重要になります。
③資産の保護を確実とする適切な保護管理体制が整えられていること。
 世界遺産に登録されて終わり、ではなく、今後開発されることのないよう、文化財保護法などの法律や制度で保護されて、次の世代・未来に繋げていくための管理体制が整えられているかどうかが重要です。

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6.終わりに

 このように、世界遺産について説明してきましたが、「世界遺産」とは、過去から現在、そして未来へと守り続けていくべき人類の宝物なのです!
 世界遺産について理解を深めることで、世界遺産が誇りになります。
 そして、世界遺産になった地域の資源の魅力をたくさん知って、いろんな人に伝えて、それが未来に繋げていくことにつながっていきます。

2019年に世界文化遺産として登録された大阪の「百舌鳥・古市古墳群」
2019年に世界文化遺産として登録された大阪の「百舌鳥・古市古墳群」

タイの世界文化遺産「古都アユタヤ」(1991年登録)
タイの世界文化遺産「古都アユタヤ」(1991年登録)


コンクールに応募しよう①~明治日本の産業革命遺産編~
コンクールに応募しよう②~三重津海軍所編~

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